独立起業に当たり、まず真っ先に考える事は、「個人事業」で開業するか、「法人(株式会社・合同会社等)」で開業するかという点ではないでしょうか。
実際にどちらの方がメリットがあるのかを比較検討してみたいと思います。
責任の違い
事業開始に当たりこのようなことを言うのも縁起でもないのですが、事業は必ずしもうまく行くことばかりではありません。
万一、倒産してしまった際に、どのような責任が自分にふりかかるのかは、事業開始前に把握しておきたい所です。
個人事業の場合
無限責任ですので、あなたの事業での失敗は全て、自分自身で(個人の財産をなげうってでも)背負わなければなりません。これが個人事業主の最も不利となる点だと言えます。
法人の場合
有限責任ですので、出資者(株主)は、出資の範囲でしか責任を負いません。つまり、出資額が10万円であれば、MAXでも10万円分のリスクしか負わないわけで、万一の際の責任やリスクは極めて限定的です。
【ご注意】
出資者(株主)に関しては、完全にリスクは限定的なわけですが、もしあなたが取締役に就任し、何か失敗をした場合、その経営責任を問われることになります。
ただし、このリスク回避方法として、定款内で「取締役の責任に関する定め」を入れておき「会社法第426条の規定」により、損害賠償責任の一部免除が出来ます。
信用力の違い
一概に、個人は信用がなく、法人であれば信用があるというわけではありません。特に、新規開業時においては、法人とは言え業歴も実績も何も無い状態からのスタートですから尚更です。
しかしながら、取引先によっては、新規だろうが何だろうが「法人としか取引をしない」と定めている企業もあります。(特に大きな企業に多いです。)
実際、当事務所にも、「取引先に、法人化しないと今度は取引しないと言われたから・・・」と泣く泣く(?)法人化されるお客様も結構いらっしゃいます。
法人の場合、それなり手間も費用もかかりますので、法人と言うだけで事業者の本気度がわかるという側面も確かにありますし、履歴事項証明書という公的にその存在を証明する書類も取れますので、取引先が法人としての信用面を重視している点は否めないでしょう。
また、一般消費者や就職しようとしている側から考えても、個人事業よりも法人(株式会社)の方がイメージとしては高いようですが、これもまた信用力と言う側面の影響ではないでしょうか。
税金の違い
個人事業の場合
事業から生じた利益は全て、所得税として支払うことになります。その他、住民税と事業税として、最大で利益の50%が税金としてかかります。尚、赤字の場合には、住民税の均等割りのみとなります。
法人の場合
事業から生じた利益は法人税として支払うことになります。その他、住民税と事業税として、最大で利益の約40%が税金としてかかります。尚、赤字の場合には、住民税の均等割り(資本金による)のみとなります。また、法人から受け取った役員報酬に関しては、「給与所得」として個人で所得税を支払います。
結局、どっちが税金はオトクなの?
正確な数字では言えないのですが、概算ですと、年間利益800万円程度~1,000万円以上だと法人が有利と言われています。当面、そこまでの利益を上げる自信が無い場合には、まずは個人事業からはじめても良いでしょう。ただし、事業承継や社長であるあなたが退職した際の退職金、配偶者への給与などを含めた全体としての税金面や、社会保険関係を考えると、法人の方が自由が利くのでメリットが大きいとも言えます。
また、先述したとおり、取引面でのメリットも大きいので、仮に当初の年間利益が500万程度であっても、法人化をすることで仕事受注につながり、次年度に大きな売上向上が見込める場合等は、最初から法人化しておいた方がメリットは大きいと言えるでしょう。
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