独立開業のスタイルは何も自分で0から立ち上げるケースばかりではなく、営業譲渡によって、既存の「箱」ごと買い取って開業するケースもあります。
その場合、営業譲渡契約を交わし、資産及び負債の内容を示す資料を引渡してもらうわけですが、それらの資料を見てもなかなかわからないのが、「過去の金融機関との取引実績」です。
今現在残っている債務があるのであれば別ですが、既に完済してしまった過去の金融機関との取引実績明細までは引渡しに入っていない場合が多いです。
返し終わっている債務なわけですから、「そんなもんいらないだろ?」と考える方も多いのではないでしょうか?
しかしながら、国民生活金融公庫等の公的金融機関は過去の取引実績及び内容をかなり重要視します。
仮に借入金額を完済していたとしても、その途中には遅延している可能性もありますし、条件変更(いわゆるリスケジュール)を行っている可能性もあります。
そのような事実が潜在する場合、迷惑を被るのは譲り受けた新事業者です。(つまり、借りにくくなるということです。)
国民生活金融公庫の場合、仮に事業者自体に変更があったとしても、新規取引先とは見てくれない傾向が強く、前事業者の実績をそのまま引き継いだ考え方が大勢ですので、譲り受けた事業の業績が良いにもかかわらず、融資を受けられない場合があります。
このようなケースは多くはありませんが、実際に当事務所でお受けした案件でも数件ありました。
事業を引き継いだり、買い取る場合には返済実績を細かくチェックするように気をつけてください。
事業を売る側からすれば、少しでも不都合な事実は隠して高く売りつけたいという心理が働きますので、「残債がない」という嘘はさすがにつかないとしても、「途中で多少遅れがあった」くらいの嘘や事実隠匿は十分あり得ます。
聞かれなかったから特に言わなかったというケースも考えられますので、事業を引き継ぐ側も、この辺のことには神経質になっておいた方が良いでしょう。






