少人数私募債発行マニュアル
会社(事業)を経営していくなかで、運転資金や設備資金の調達は必要不可欠です。
「黒字倒産」や「勘定あって銭足らず」と言われるように、いくら帳簿上に利益がでていても、日々の運転資金に窮していれば明日はありません。
経営者の仕事のなかには、資金を調達することもとても大事な仕事なのです。
その資金調達方法として、金融機関から資金を融資してもらう間接金融しか方法がないわけではありません。実は、直接金融という方法もあるのです。
社債の発行がその直接金融というものです。
そんな社債なんて大手企業だけができるものだと思っていないでしょうか?
いえいえそんなことないです。
大手企業だけでなく中小企業にも「少人数私募債」という社債の発行方法があるのです。
通常、社債を発行する場合には、内閣総理大臣への届出書や通知書の提出等の行政手続きが必要となりますが、「少人数私募債」の発行要件を満たせば、一切そのような面倒な行政手続きも必要ないところも中小企業にはうれしいところです。
原則として、取締役会が設置している株式会社は取締役会の決議で、取締役会非設置会社では、取締役が決議することができますので、迅速な経営判断により運用できます。
まだまだメリットはあります。まず資金調達コストがあまり必要でないところです。
少人数私募債は元本を償還期限が来るまで満額使用でき、社債の利息は通常年1回の後払いとなりますので、銀行融資の様に融資後の月々の支払い方法である元利均等返済とは雲泥の差です。
ですので、たとえ社債の利率を少し高めに設定しても実質の金利が高くなることはありません。また、その社債の利息は全額会社の損金処理ができます。
投資家(社債権者)サイドにも税金面のメリットもあります。
中小企業の場合は経営者等から会社へ対して資金の貸付をしているケースが多々見受けられます。
そのケースでの貸付金の利息を受取る経営者等の確定申告での処理は雑所得となり、他の所得と合算しての総合課税の対象となり、税負担は最高で約50%となります。それに対して社債の利息は利子所得となり、20%の源泉分離課税の取扱いにより、税制上も非常に有利となるわけです。
さらに、この少人数私募債を発行することにより、銀行等に頼らず資金調達ができるという会社の実績は、身近に会社や経営者を信用し応援してくれる人がいるという証でもあります。
それによって金融機関や取引先の信用力をより高めることにもなり、さらなる資金調達のきっかけを広げることにもつながります。
最後にいくらこの少人数私募債が優れている直接金融方法だとしても、社債権者になってくれる人、つまりお金を拠出してくれる方がいなければ何の意味もありません。
だから、お金を出してみたいと思ってくれる、また頑張っているあなたの会社を応援したいと考えてもらえる根拠ある、「真の」事業計画を作成しなければ誰も相手にされないことになるでしょう。
そうならないためにも、経営者は事業支援を求めるための事業計画をきちんと数字で示し具体的な戦略を見せて事業計画が現実に達成可能であることを情報開示していかなければなりません。
この少人数私募債を成功させるのも失敗となるのも、全てがこの事業計画書にかかっていると言っても過言ではないでしょう。どうか、あなたの会社のファンを増やしていただきたいと願います。
少人数私募債の発行要件
- 社債購入者は50名未満で、不特定かつ多数の者に対する募集でないこと
- 縁故者に限定して、社債を直接募集すること
- 社債購入者に証券会社や銀行などの「金融プロ」がいないこと
- 社債の一口の最低額が発行総額の50分の1以上であること
- 取得者から多数の者(50名以上)に譲渡されるおそれがないこと
少人数私募債の発行要件解説
※1 金融のプロとは?
適格機関投資家といわれる以下の金融のプロです。
- 銀行
- 証券会社
- 投資信託委託業者
- 保険会社
- 信用金庫並びに労働金庫
- 農林中央金庫など
※2 勧誘の対象者は、49名以下
過去6ヵ月以内に同一種類(償還期限及び利率が同一であるもの)の少人数私募債を発行した場合には、6ヵ月の通算が49名以下でなければならない。但し、6ヵ月を経過すれば、再び49名まで勧誘することができます。
※3 直接勧誘とは?
勧誘の人数の49人以下であるか否かは、最終的に社債を購入した人の人数ではなく、あくまでも直接勧誘した相手の人数をいうので、勧誘したが、結果的に募集に応じなかった人も、この人数に含まれます。
したがって自社等のウェブサイトで社債発行の応募者を募ったり、新聞や雑誌等で勧誘した場合は「私募」でなく「募集」に該当することになるので注意が必要です。
※4 発行価格が最低券面額の49倍以下であること
社債の発行総額は、総額を最低券面額で除した数の上限は49となります。
したがって、最低券面額が200万円とした場合の発行総額は9,800万円となります。但し、発行総額が1億円以上になると、社債引受者に対し、以下の事項を告知しなければなりません。
- 有価証券通知書、有価証券届出書を提出していないこと
- 記名式で、一括譲渡以外の譲渡が制限されていること
- 表示単位未満の分割制限が課せられていること
少人数私募債発行キットのご案内
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少人数私募債の発行手順

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